舌側矯正について
舌側矯正は、歯の裏側に矯正装置を取り付けて歯を矯正する治療法です。表側矯正と同等の治療効果が期待できます。ただし、歯の裏側は表側と比べて装置を付ける範囲が小さく、凹凸もあるので高度な技術が必要です
舌側矯正のメリット・デメリット
メリット
- 目立ちにくい
裏側矯正は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを取り付けるため、口を開けたときに目立ちません。口元を気にせずに会話や食事を楽しめます。
- 唾液の効果が発揮されやすい
舌の下には唾液腺があります。歯の裏側は唾液でうるおっているため、食べかすや歯垢が溜まったときのむし歯リスクが表側矯正よりも低くなります。
- 舌癖を治せる
舌で前歯を押す行為は、歯並びが乱れる原因です。舌側矯正では、矯正装置に舌が触れるため、前歯を押す癖を直せる可能性があります。
デメリット
- 表側矯正よりも治療費が高い
舌側矯正の治療費は表側矯正よりも高くなっています。これは、高度な技術が必要なことと、施術時間が長いためです。
- 発音に支障がきたしやすい
歯の裏側に舌をつけて発音する、さ行、た行、ら行が発音しづらくなります。矯正装置に慣れると発音が改善するでしょう。しかし、発音の練習をしなければ、なかなか普段の発音はできません。
- ブラッシングがしにくい
歯の裏側に矯正装置を取り付けると、歯磨きのときに装置を目視できないため、すみずみまでブラッシングができません。その結果、むし歯や歯周病のリスクが上がる可能性があります。
通常の矯正治療との違い
舌側矯正では、インダイレクトボンディングが必要です。ワイヤーがまっすぐになるには、ブラケットを正しい位置に装着しなければなりません。ブラケットを正しい位置に装着するためにコアを使用することをインダイレクトボンディングといいます。インダイレクトボンディングの登場により、舌側矯正の精度は大幅に向上しました。
舌側矯正とマウスピース矯正の違い
①痛み・違和感の違い
マウスピース矯正では、裏側矯正よりも歯を動かす量が少ないので、比較的少ない痛みで矯正できます。また、装置がでこぼこしていないので、口内炎ができるリスクはほとんどありません。これは、舌側矯正にも同じことが言えます。しかしながら、舌側矯正よりもマウスピース矯正の方が痛みが少ないとされています。
②歯磨きや飲食のしやすさ
舌側矯正は矯正装置を取り外せないため、より丁寧なケアが必要です。一方、マウスピース矯正は食事の際に取り外せるので、食べかすが挟まる心配がありません。マウスピースそのものも歯ブラシで磨くことで清潔な状態を保つことができます。裏側矯正では、矯正装置や歯茎への負担を抑えるために、あまり硬いものは食べない方がよいでしょう。以上のことから、舌側矯正よりもマウスピース矯正の方が歯磨きがしやすくて飲食もストレスフリーと言えます。
③歯を動かす自由度の違い
裏側矯正は、表側矯正よりも強く・持続的な力で矯正治療を行います。しかし、表側矯正同様、固定された装置のため自由度は低いです。
一方、マウスピース矯正(インビザライン)であれば、動かしたい歯を中心に移動することが可能です。